インドネシア直輸入のサンゴと海水魚の仕入れ体験記

Anthiasでは、インドネシアやパラオの現地に直接足を運び、漁師や輸出業者(シッパー)や水族館と交渉しながら仕入れを行っています。今回の体験記では、現地でしか感じられない“海のリアル”をお伝えします。
インドネシアのサンゴ・海水魚市場とは

世界最大のサンゴ輸出国
インドネシアは世界最大のサンゴ輸出国。大小1万以上の島々に囲まれ、熱帯性のサンゴ礁が豊かに広がる環境がその理由です。色彩豊かなソフトコーラルから希少なハードコーラルまで、世界中のアクアリウムファンを魅了する多様なサンゴが育っています。
輸出規制と管理体制
一方で、採取・輸出には厳しい規制があります。CITES(ワシントン条約)のもと、採取量や輸出数は政府により細かく管理。持続可能性を守るために「漁師→シッパー→輸出書類」という流れを経て、日本へ届けられます。
仕入れの主な流れ
サンゴや魚を採取する現場の担い手。
採取された生体を一時保管し、輸出の準備を行う。
輸入・検品・国内流通を担う。
この3段階のどこで品質を見極めるかが、最終的な水槽の美しさに直結します。特に現地での品質チェックは不可欠。状態が悪い個体を避けることで、輸送中のリスクを最小限にできます。
現場での仕入れ体験

漁師とのやりとり
夜明け前の港。フーカー(送気式潜水)または酸素タンクと採取道具を積んだ漁船が戻ってきます。潜水してサンゴを採取するダイバーたちが、まさに海の職人。彼らの熟練した技術が、健康で美しいサンゴを守っています。
サンゴ・魚の扱い方
採取された個体はすぐに海水タンクへ移され、適正な水温と酸素量を保ったままシッパーの施設へ。ここで輸出前のコンディショニング(状態調整)が行われます。
輸出業者との交渉
シッパーの施設では、膨大なストックの中から一つひとつ選定。価格交渉だけでなく、輸送時の死亡リスクを減らすための品質保証を入念に確認します。
良いサンゴを見極める基準
- ポリプの開き具合
- 色の鮮やかさ
- 触れた際の反応(健康な個体は瞬時に閉じる)
- 優れた漁師との関係性を持っているか
現場で培った経験が、ここで生きます。
直輸入だからわかる「サンゴ・海水魚の状態」

輸送の難しさ
生体は酸素パックと水温管理が命。飛行機での長距離輸送では、数時間の温度変化や酸素量が品質を左右します。現地で状態を把握しておくことで、日本到着後のトラブルを大幅に減らせます。
到着後すぐの検品
日本到着後の最初の水槽移動で、健康状態の差が一目瞭然。直輸入ならではの鮮度と強さは、国内での二次流通品にはない魅力です。
サンゴ・海水魚を守るための配慮
- 輸出規制
インドネシア政府の許可制。数量制限や採取場所の指定あり。 - 現地ルール
稚魚や親株は採取せず、群生地を守る取り決め。
これらは持続可能な取引を続けるために欠かせません。海を未来へ残すことも、私たちの使命です。
日本のお客様に届けるまで
到着後は種類ごとに水槽で適応ケア。サンゴは光量や水流を調整し、魚は徐々に水温と塩分濃度を合わせていきます。現地からお客様の水槽に至るまで、品質と健康を守る手間を惜しみません。
現地体験から伝えたいこと

- 直輸入の強み:鮮度・信頼性・希少性
- 品質保証:現地で自ら目と手で選ぶ確かさ
- 海を届ける使命:ただ販売するのではなく「海の体験を空間に届ける」こと
Anthiasは“ただの水槽屋”ではありません。アクアリスト=自然を操るアーティストという思想を掲げ、その立場を社会に発信・確立していく文化的な挑戦を続けています。これから仲間や顧客として出会う方々にとっても、共感軸のあるブランドでありたいと考えています。
現地の海と人の技術、そしてその文化的価値を日本へ。Anthiasはこれからも、本物の海の魅力を空間に届けていきます。興味を持たれた方は、ぜひお気軽にご相談ください。


